伊豆半島から茨城沖への「斜め線」について、このラインができる原因は2つに大別されます。
まず茨城沖ですが、ここには太平洋プレートに乗ってきた海洋性堆積物が本州を形成するプレートにくっついて(付加体と言います)それと両側のプレートとの間で微小地震(時に中規模の地震も)が多発しているのです。2つ目は霞ヶ浦・北浦の沈降帯より南西側のラインで、これは太平洋プレートにフィリピン海プレートが乗り上げている部分で発生していて、しかもフィリピン海プレートが複数に破断してドミノ倒しのように積み重なり、それぞれの間や太平洋プレートとの間で微小地震が発生していて、ここでも時に1987年の千葉県東方沖地震や今年6月の千葉県北東部の地震のような中〜大規模の地震も発生させています。茨城沖に付加体がくっつく原因になったのも実は太平洋プレートに重なったフィリピン海プレートの影響ではないかと思います。なので両方のラインが連続しているように見えるのは意味があるとも思います。問題は今年の8月以来、両プレートが重なっている領域より南西方向にさらに延長した部分にもラインに乗った地震発生域が拡がっている事です。
これはどうもフィリピン海プレートの浮揚性/沈降性境界である西相模湾断裂が少しずつ動き出しているせいではないかと感じています。
それから、「相模湾から駿河湾へ伊豆半島を横断する新たな線」ですが、実は1978年1月の伊豆大島近海地震でこれにそって断層運動が飛び火した事が知られています。問題は、その飛び火した領域の間に、まだ歴史時代に明瞭な活動を起こしていない、前に触れた西相模湾断裂がある事と、1930年の北伊豆地震の震源域と1987年の伊豆大島近海地震で動いた部分の間に、まだ動いていない伊豆半島を横断する構造線が存在しそうだという事です。これらの断層群はいずれもフィリピン海プレート内の断裂で、複雑に関東甲信越に潜り込んでいる同プレートには伊豆半島周辺にかなりのストレスが生じていて、新しい潜り込み口を形成又はトランスフォーム断層のようなすれ違い部分を作って動いているのです。
最近、このラインに沿って微小地震が発生するようになったのは東海地震にむけて、今年6月からの伊豆諸島での地震活動と同様、大きな意味があると思います。
●画像の説明(1)
「SEIS-PC for Windows」と気象庁震源データ(1990.1.1〜1996.7.31)を使用
関東周辺の深さ30〜80kmで発生したM0〜8の地震をプロットし、3箇所の断面を作成しました。断面で薄青丸に塗った部分が線状配列を形成している部分だと思われます。

画像クリックすると原寸で表示できます。
上記の断面では良く判らなかった太平洋プレートの沈み込みを見るために、深さ50〜150kmの範囲で、上記とほぼ同じ場所で断面を作成しました。実線に挟まれた部分が太平洋プレートで、付加体やフィリピン海プレート内にもいくつかの境界面があるのが判ります。
深さの範囲を50〜60km、規模もM2〜4に絞って、ラインが明瞭になるようにしました。青い実線がラインで、薄青の帯はフィリピン海プレートが太平洋プレートとぶつかって地震を発生させている領域を示しています。特に一番外側の帯と2番目の間は太平洋プレートの上にフィリピン海プレートがぺったりと乗ってしまっています。
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